開発者フリートーク 42

バルーンホッピング誕生に寄せて

2017.01.09

バルーンホッピングは楠野製作所にとってバーバーカットと並び立つエース機としての期待が大きかったので、じっくり時間を掛け丁寧に微に入り細を穿ち検証を繰り返し、気持ちと期待を込めて作り上げました。

開発者として、風船割りゲームにはとても執着心があったのですが、なかなか本格的に作ろうという気にはなれませんでした。

製作に取り組むにはクリアしなければならない壁が高くて多かったのです。

何度かゲームの流れをイメージしてみるのですが、そのたびに開発の前途を塞ぐがごとく現れる難しい課題の数々の前に、挫折を繰り返していました。

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確かに自社以外にも、興味があって作りたいと思っていた会社はあったのではないかなと思うのですが、今のところ、風船割りゲームをしっかりしたゲーム機として完成させている会社を私は知りません。

やはりその原因として考えられることは、「風船を割る動作に遮蔽板を使用せず、かつ変更可能な難易度を設ける」仕組みに辿り着けなかったところにあったと思います。
ゲーム業界関連のネーミングの登録商標を調べてみると、「バルーン」「風船」という言葉は至るところに氾濫していますが、その割にはこれといった商品しての成果物は存在していません。

たぶん過去に「作りたい」という人はいたとしても、この部分の壁を越えられなかったのだと思いました。

 

そんな状況下で何とか開発者がバルーンホッピングの製作まで漕ぎ着けられた原動力は、「バーバーカット級のスケールのプライズ機が欲しい」という現場からの声でした。
その声が「今度こそ現場の要望に応えるべく『風船割りゲーム誕生』物語へと繋げよう。」との、開発のモチベーション上昇のアドレナリンとなりましたし、「従来からやってきたものづくりのスタンスを変えてみよう。」との考えにもなりました。
 

従来の開発作業はイメージが中心でした。

イメージで遊びを考え、イメージでメカを作り、イメージで各部の検証をし、イメージでゲーム機を動かすなど、ほとんどの産物がイメージばかりで、具体的な現物がないという机上の仕事が専らでした。

そして、イメージが壁に突き当たったら作業を中止するというスタンスでした。

またその中止期間が長かったりすると、ほぼ諦めの状態となり、開発放棄という事態にもなっていました。

しかし、今回はイメージしたものは一部のものでもいいので、とりあえず作り上げ、常に見たり触ったりする時間をとりました。

また一部の問題につまづいても、そこで悪あがきしないで、別のものにも手を付けてみるようにして、作業からリズムと集中心を失わないように心掛けました。

すると、試作機のイメージが完成する頃には、もう現物のゲーム機も大体出来上がっていました。

 
今回のバルーンホッピングの開発で良かったと思うところは、成果がイメージでなく、現物として目の前にあるリアル感が、開発作業を飛躍的に遂げさせてくれる力になり得ることを体験できたところです。

想像力を働かすより、まず作ってみる一歩が大事です。