旧式蛍光灯安定器の交換サポート

有限会社楠野製作所

旧式蛍光灯安定器の交換サポート

旧式蛍光灯安定器の交換サポート

旧型蛍光灯安定器について情報の周知とサポートを行なっています。事故や故障を防止するため、以下の条件に該当する機種をお持ちの方は、今一度下記リンクから申込書をダウンロードし、ご記入の上、FAXまたはメールでお申し込みください。
対象となる機種は、2007年後期以前に製作された弊社プライズマシンの一部です。

一度後部のフタを開けてご確認下さい。

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対象となる安定器は2007年後期以前に製作された弊社の機種に設置されていたもので、かつ筐体本体に隙間を設けずベタ付けされたものです。 安定器が下図の形で固定されているものは、交換の必要はありません。
【対象機種】

●ファン・ファンタジア : 全部
●プチファンタジア : 全部
●ファンタジアエナジー : 初期型
●バーバーカット : 初期型

安定器が下図の形で固定されているものは、交換の必要はありません。

※但し、以下の場合でも万一劣化の症状(「安定器表面に焦げが生じている」等)が見られる場合は、一度ご相談ください。

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但し、安定器の表面に「温度ヒューズ付き」との記入があれば、交換の必要はありません。
安定器の交換は、現在無期限で実施しております。

下記の申込書に記入の上、FAXまたはメールでお申し込みください。よろしくお願いします。

<危険を報せるサイン>
蛍光灯のこんな症状を身の回りで目撃されたことはありませんか。

・ ランプがチラチラする。
・ ランプが薄暗い。
・ ランプの両端が黒ずんでいる。
・ ランプが点灯するまでに時間がかかる。
・ ランプが消えたまま点かない。
・ ランプを交換したけど点かない。
・ 安定器が変色している。
・ 安定器が発煙している。

これらは蛍光灯安定器の危険を表すサインです。
発煙しているなんて寿命末期の最悪状態ですが、ここに掲げた症状はみな目視できる危険サインです。
絶対見落としてはいけません。

この他にも手を触れることで分かるサインがあります。

たとえば蛍光灯の安定器は発熱する器具です。
正常に機能しているときは、僅かな時間なら手を当てていることは可能ですが、これが一瞬でも触れられないような状態になれば、とても危ないサインになります。
また安定器の異常が絶縁不良と深い関係にある以上、アースのとれていない板金筐体への簡易固定なら触れた途端に感電してしまいます。
以上のような事柄が視覚や触覚で感じ取れるサインということになります。

これらのサインが現れる理由として、「蛍光灯器具の部材の一部あるいは全部が劣化している」可能性が挙げられます。

以下、蛍光灯器具内の時間とともに劣化する部材のリストです。
これらの部材の劣化が進むとリスクも増大することになります。

・ 蛍光灯ランブ(ランプソケット(両端接続部)も含む)
・ グロー球(グローソケットも含む)
・ 安定器(リード線も含む)

メーカーや代理店の専門家に意見を聞いたところ、これらの部材のどれが劣化してもすぐさま安定器は危険レベルに陥ることになるそうです。
安定器そのものが良好な状態にあったとしても、ランプやグロー球が劣化すれば、その負担を安定器がまともにかぶり、劣化が急速に進むことになるからです。
以下、交換のタイミングに関するものです。

* 安定器が壊れたときにはランプやクロー球も必ず一緒に交換する。
* ランプが壊れたときにはグロー球を一緒に交換し、安定器も壊れていないかチェックする。
* グロー球が壊れたときには、ランプも一緒に交換して、安定器も壊れていないかチェックする。

※さきの危険サインを見つけたときには、器具一式全部を疑ってみることも大切です。

ここで先日、現場から弊社に送られてきました蛍光灯器具安定器の解析写真をお見せすることにします。

この安定器は「ファンタジアプラス2」に取り付けられたもので外観に若干の焦げがありました。
店員さんが異常に気づいたときには発煙していたということでした。
以下、中身を外から順番に少しずつ剥がしていきました。
決して気持ちのいい光景ではありませんが、じっくりご覧ください。

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この蛍光灯器具が取り付けられていた「ファンタジアプラス2」は、2004年弊社製作の棒を落とすタイプのゲームです。
安定器の痛ましい様子にびっくりしました。

安定器が焦げた主たる原因は、
・ 安定器が不良品だったわけでもなく、
・ 電源電圧に問題があったわけでもなく、
・ 電源端子台へのネジ締めトルク不足の問題でもなく、
・ 狭い空間に閉じ込められていたわけでもありませんでした。
*ただ安定器が劣化して寿命末期状態だったのです。

劣化した安定器をそのまま交換しないで使い続けていると、こういう事態になることは珍しくありません。
また、安定器に問題がなくても、劣化して危険サインの出ているランプやグロー球を換えないでそのままにすると、例えそのときに安定器に問題がなくても、やがて高負担が生じ劣化し、最後にはこのような終わり方をするそうです。

確かに根本原因は安定器の劣化(消耗)というところにあったのですが、その劣化がやって来る時期を少々早めてしまった弊社のまずい扱い方があったことは否めません。
それでは、これらの部材の劣化がどういう具合に絡み合って、最悪の場合、発煙・発火状態に至るのか、
メーカーや営業マンから知り得た情報を基に説明いたします。

* 蛍光灯器具の部材の中で最も重要なものが器具の心臓部といわれる安定器です。
* 各部材の中でも安定器の寿命が蛍光灯そのものの寿命を左右することになります。
* 安定器の寿命は主として安定器内の絶縁物、特にコイル部分に塗られている絶縁皮膜が劣化して、
  絶縁破壊(レアーショート)を引き起こすことでもたらされるのです。
* つまり、器体内のコイルの絶縁性が保たれなくなって、レアーショートによって過電流が発生する
  という全く皮肉なシナリオをもって、安定器は命終するのです。

動物に限らず生き物が死ぬときは、穏やかにスーと活動を停止するものですが、その点安定器はずっと穏やかに生きてきて、寿命末期時に大暴れしてしまうという厄介な特性を持っています。
暴れる時間がそれこそ一瞬であれば(過電流で瞬時に破裂するようにショートすれば)問題ないのですが、
寿命末期時が長引く(じわじわと軽めのショート状態が続く)とその発熱作用で周囲にまで被害を及ぼしたりします。
そして最悪の状態の時にはこれが火種となり、火災に繋がる可能性もあります。

通常、絶縁物の寿命は安定器を「標準条件」で使用した場合、8年から10年と考えられていますが、
この寿命末期に至るまでに磨耗故障期(やや危ない時期)と呼ばれる期間がしばらく(全寿命の4分の1ぐらい)あります。
大抵の異常は、磨耗故障期に出てくる<危険のサイン>によって取り除かれることが多いのですがその時期に交換されずに長らく放置された安定器が、危ない寿命末期を迎えることになり、最悪、重大な感電事故や火災を引き起こしたりするのです。

一般に8年から10年と言われる安定器の寿命の目安も、「標準条件」の下での使用に限定されるという制限を受ける以上、大した目安にもならないし、あまり意味もありません。
なぜかと言いますと、蛍光灯安定器が周囲の環境あるいは、周囲に配置された部材の影響を一切受けないで
寿命末期を迎えることはまずはありえないからです。

たとえ健全な安定器でも寿命を迎えるまでには、必然的に他のパーツの劣化の影響を受けてしまいます。
蛍光ランプが古くなると、本来の明るさを保たせるために、安定器が電気の供給量を大幅に増やそうとし、
それを助けようとしてグロー球までもが高負担を強いられることになるのです。
こういう無理の行き過ぎ状態に気づかず見逃して放置してしまうと、安定器は目安の寿命を大きく下回り、一気に劣化してしまいます。

こういう安定器の不安的な寿命に嫌気がさした一流ブランドメーカーでは、その危険に対する取り組みとして、数年くらい前から温度ヒューズなどを使って、安全な安定器作りに着手しました。
しかし、まだ多くのメーカーが未対策の安定器を販売しています。
大手さんでも、「未対策」「対策済」を購入者に選ばせているようなところもあるそうです。

通常、安定器を木部にベタ付けしたり複数を隙間を空けずに密集して付けたりするのは、その分周囲温度上昇を誘発することになり、安定期の寿命を縮める大きな原因となるそうです。
パナソニック社では、「周囲の温度が適温より10度近く上昇すれば、安定器の寿命は半減する。」と述べています。

今回の出来事を通しまして弊社が痛く反省する点は、安定器を木部にベタに取り付けしてしまっていたというところです。
安定器そのものは難燃剤でできているのでくすぶっても燃えるところまでは考えにくいのですが、かなり高温になることは十分ありえます。

当時弊社使用の安定器は画像で分かるとおりベタ付けタイプで、他社製のように器体から足が伸びていて、
器体を浮かして固定するタイプではありませんでした。
このことは日頃、メンテナンスやチェックを怠りがちな使用者さんにとっては、かなりのリスクとなってしまう恐れが生ずるため、メーカーとして何か工夫をしなければならないと感じておりました。

こういうことを熟慮しました結果、弊社楠野製作所では、一部旧型の安定器と3年前から採用している「温度ヒューズ内蔵型の安定器」とを交換するサービスを実施することに踏み切りました。

対象となる安定器は2007年後期以前に製作された弊社の機種に設置されていたもので、
かつ筐体木部に隙間を設けずベタ付けされたものです。

【対象機種】
●ファン・ファンタジア:全部
●プチファンタジア:全部
●ファンタジアエナジー:初期型
●バーバーカット:初期型

但し、安定器の表面に「温度ヒューズ付き」との記入があれば、交換の必要はありません。
安定器の交換は、現在無期限で実施しております。

下記の申込書に記入の上、FAXまたはメールでお申し込みください。 よろしくお願いします。

「温度ヒューズ付き」安定器は自らの不調ばかりでなく、周囲環境や関連パーツの影響で不調になった場合
最悪の事態を防ぐために自らの命を絶つように作られています。
その際リセットは効きません。
もし、内蔵の温度ヒューズが切れた場合は他のパーツの消耗も疑って、安定器ばかりでなく蛍光灯一式をセットで換えることが賢いでしょう。

この温度ヒューズ付き安定器は、目視検査では発見できないトラブル
すなわちサインの出にくい(見えにくい)劣化に対しても有効なところが実に頼りがいがあります。
お手持ちの機械が該当するようでしたら、お気軽にお申込みください。

機械の使用者、現場の管理者という立場の方々にとって、蛍光灯器具を管理することはおろそかにできない問題なのですが、将来蛍光灯メーカーがより安全な製品を作るための努力をするかというと、それはほとんど期待できません。
今、蛍光灯に代わる照明器具としてLEDが脚光を浴びてきています。
メーカーはその開発や販売に躍起になっていて、すでに斜陽化している蛍光灯に関わっている暇はないというところです。

蛍光灯の危険に対する踏み込んだ情報の提供は、メーカー(および販売)側からは得られないという現状の中でも使用者側は危険を回避する努力は怠れません。

そういう意味では今後、危険サインに気を配る一方で
「安定器が寿命の半分を過ぎるまでは年に一回、半分を過ぎてからは年に三回、磨耗故障期に入ったら月に一回点検を実施するとか、またそのとき良好な状態であったとしてもスッパリ廃棄処分にしてしまう。」
といった割り切りも必要という気持ちで、安全対策を立てていかなければいけないと思います。

長時間読んでいただきありがとうございました。
今回の問題に関するお問い合わせは、下記で受け付けております。
どうかお気軽にアクセスしてください。

E-mail info@prizegame.jp

安定器のウラ面と木部との間に適度な空間が設けられている場合は、交換対象外と致します。
よろしくご了承ください。

最後に、当社納入業者(メーカー)の蛍光灯安定器の危険に関する見解です。

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