横・前後移動が消えたクレーン系ゲーム

開発担当　楠野

楠野製作所では景品を掴むクレーンゲームは、過去に１機種だけ生産

していました。その１機種とは、４面ガラス張りの箱に入った、

３つ爪の、正統派のクレーンゲーム機でした。

そのクレーンゲームの生産は、現在とっくに終了しておりますが、

それと同時期に本格的なクレーンゲームも２機種試作していたことが

ありました。

 

１機種は依頼者と知財権で揉めたために生産を諦めましたし、

もう１機種は、「景品を掴んだ時だけ、その帰り道は障害コースを

通らなければならない。」という内容にしたために、依頼者から

クレームが付き、モチベーションが下がり、中途で止めました。

 

それ以降は純粋なクレーンゲームを製作する機会からは遠ざかって

いますが、それでもそれに似たような、クレーン系のゲームはどんどん

作っています。いわゆるＫＵＳＮＯ式プライズゲームです。

私はあまり関わっていませんが、今回新開発の「ポチッとラウンド」

も、やはりクレーン系プライズ機と言えます。

 

 

 

 

従来の機種は、当社も含めて、スライダーはⅩ軸もＹ軸もストレート

で、かつ直角に交差しているのが普通でした。

 

しかしこのポチッとの場合は、従来の機種にはなかったような

スライダーの特長があります。それは、

 

☆まずＸ軸が奥から硝子面に向かって大きく湾曲しています。

☆そしてＹ軸はストレートですが、片方の端を軸にしてもう一方の端が

湾曲したＸ軸にクロスするように重なり、湾曲部に沿って

円を描くように移動するようになっています。

 

 

①一般のクレーンゲームがスタートする際には、「左から右」或いは

「右から左」へと、移動体が横移動するのに対して、ポチッとの

移動体は、丸く半円を描くように左にも右にも移動します。

 

②次に一般のクレーンゲームが「前進」或いは「後進」の前後移動を

行い、目標にせまるのに対して、ポチッとは角度をコントロール
しながら、ホッピングをするように目標に迫ります。

 

以上の２点において、新参者のポチッとは、強い独自性を発輝します。

 

最近クレーン系ゲームは、購入が控えられる傾向にあります。

その理由は、

 

①例え旧型の機械でも、新型の機械と遜色なく稼働してくれる。

 

②新しい機械を投入しようとしてもどの機種も、あまり変わり

映えがしない。

等の買い手側の言い分があります。

 

それらは、分からないことはありません。

実際のところその通りなんです。

 

しかしそれでも、この高いハードルを飛び越して、現場に

自社製品を届けたいと思う一心が、新感覚のクレーン系ゲーム

「ポチッとラウンド」の誕生に繋がったと思います。

 

ポチッとラウンドは、オーナーさんには是非試してほしいし、

ゲーマーさんには是非遊んでほしい超感覚の「新参者」です。

 

 

※次回は、過去になかった景品の取らせ方　です。