楠野を天国へ導いたカンボール 1

有限会社楠野製作所

楠野を天国へ導いたカンボール 1

スタッフブログ

2018/11/30 楠野を天国へ導いたカンボール 1

開発担当 楠野博美

 

 

楠野のゲーム機製作史の中で、当時、高級車が買えそうな価格のゲーム機がありました。

それは、「カンアレイ」と称されるアメリカ生まれのカーニバルゲームをカバーした、

自社製のカンボールでした。

一番高級な仕様で(1990年頃)260万円の価格が付いていました。

その当時のカンボールは、自社の救世主的な存在となっていました。

 

 

「自社製カンボールの最終型」

・折りたたみ式

・2人用で1セットになっている。

・幾つでも連結が可能

・現地に送って組み立ててもらうだけ

・価格は最終1セット260万にもなった。

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「自社製カンボール初期型」

・南海沿線・岬公園に設置したものと同じタイプ

・設置場所に大工を連れて社員が出向かなければならなかった。

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アメリカの遊園地ではとてもポピュラーなカンボール(米国名:カンアレイ)は、

日本国内ではどこの会社も生産していませんでした。

ですから後に、当社で後にカンアレイに似たカンボールを作る羽目に

なるなんてことは、更々考え及びませんでした。

 

ところが、当社と親睦の深い企業がアメリカのカーニバル機メーカーと

親しくしていて、その上都合のいいことに、

アメリカのカーニバル機メーカーの日本代理店をしていたのです。

 

そこで、人気のカンアレイにアメリカ国内での知財権が設定されていない

ことを突き止め、アメリカのメーカーに日本でのカバーを認めるように

交渉をしたところ、あっさり許可が出ました。

 

そして、その美味しいカンボール作りの役回りが、

我が楠野製作所に回ってきました。

 

当時、日本のアミューズメント市場は、テレビゲームの誕生に湧き返っていました。

「インベーダー」に続いて「パックマン」、そして「ドンキーコング」へと、

時代の変化と共に、テレビゲームも進化していました。

しかし、楠野製作所だけは未だ電気を使わない10円仕様のゲーム機作りを

展開しており、時代の闇の部分に埋もれたままでした。

 

だから、カンボール製作依頼が突然飛び込んで来た時には、

それはもうびっくり仰天状態でした。

電気すら使わないゲーム機作りを続けている楠野に、

アメリカのカーニバル機なんて作れるのかな・・・??

 

最初は随分迷いました。そして、

まず無理だろうと思いました。
しかし、ためらってはいられない事情もあり、

しっかり依頼を受けることにしました。

 

とりあえずは、「作りながら考えよう」
「電気も今から勉強しよう」
「頑張れば何とかなる」の心意気でした。

 

テレビゲームの台頭で存在感を失っていた楠野製作所にとって、

この時の、試作無しのカンボール作りではあったものの、

その報酬はとてつもなく魅力的でした。

 

加えてカーニバル機カンボール作りは、単発では終わらない、

連続性のある仕事になるということで、

零細企業の楠野にとっては未来を占う大仕事となったのです。

 

 

このお話し、次回に続きます。

 

 

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