柱にする商品の目利き

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スタッフブログ

2020/10/28 柱にする商品の目利き

開発フリートーク    開発者楠野

 

KUSNOが初めて、クレーンゲームを意識して、開発した機械は、

ファンファンファン」という名称でした。クレーンゲームならぬ

クレーンゲームもどきでした。

確かにその図体は、大きかったのですが、キャビネットの中で、
大量のビー玉を操作して、プレイヤーが遊んでいる様子は、当初開発者が

描いていた光景よりは、多分にソフトなイメージになっていて、

迫力のなさに、やや他社製とのギャップを感じてしまいました。

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【初めてのLサイズのクレーン系ゲーム】

 

 

 

開発者にクレーンゲーム作りの経験がないということを感じたKUSNOの

クレーンゲーム元年でした。

それでも、このクレーンゲームもどきは、2000年から、

よちよち歩きしながらも前に動き出しました。

 

本来、クレーンゲームは、X軸横移動、Y軸前後移動、そして                        

景品にアクセスする動作のZ軸移動を含めてはじめて条件を満たす

ものなのですが、その点ファンファンファンは直接景品にアクセス
するのではなく、キャビネット内で山盛りになっているビー玉を、
シーソーメカを動かして押し出し、それらが転がってホールに入れば、
「景品ゲット!」となるのが、遊びの内容となっていました。

 

それ故、最初はクレーンゲームなんて名乗るのはおこがましいという感じも
あったのですが、とりあえずファンファンファンは師走に作った50台が
順調に売れ、年明け早々には100台の追加の注文が入るという嬉しい話と

なり、縁起のよい滑り出しとなりました。


販売店によると、先の機械の販売は50台くらいを残す頃から苦戦を強いられたと、

聞きました。

このファンファンファンが頑張ってくれている間に、
箱型の小型クレーン機「クリスタルクレーン」を親睦会社と共同開発して、

次の商品として、備えることができました。

 

 

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【クリスタルクレーン】

 

 

とはいうものの、小型クレーンを作っている間は
すっかり大型のクレーンゲームへの取り組みは疎かになっていたため、

4台の小型クリスタルクレーンのテスト機が完成したタイミングで、

一時生産をストップさせて、入れ替わりに大型のクレーンゲーム機づくりに再び

精を出すということを考えていました。

 

しかし、本音を言うと、大型のクレーンゲーム機は私としては、

このタイミングではつくりたくはなかった。なぜなら大型機より

小型のクリスタルクレーンのほうに魅力を感じていたからです。
それと、むやみに二兎を追うような余力がなかったのも一因としてあったのですが、

それにも増して、共同開発者の鼻息がさらに荒かったので、根負けして、

義理で試作する羽目になってしまったのでした。

 

そんないきさつですから、何か気分が全然乗らない中で何とか

ファンファンタジアの試作機を完成させたものの、私は機械ができた喜びよりも販売店が何というか、

とても心配していました。

案の定、販売店の担当者に

「こんなものを作って、いったい誰が売るんや、」

「売れそうもない機械に誰が金を出すんや!俺は知らんぞ‼」と

散々に罵られました。

 

結局、すったもんだの挙句、とりあえずは、4台のクリスタルクレーン

1台の急仕上げの棒落としゲーム「ファンファンタジア」は

揃って幕張メッセ開催のAMショウに出店されることになりました。

出店を果たしてからも、例の担当者だけは、

「格好悪いのでその機械は隅っこに置いとけ!」と、
悪態をつきっ放しでした。

実際、クリスタルクレーンはガラス面を4面持っており、当時としては

目立っていました。ターンテーブルも装備されているし、照明などがとても

華やかでした。また会場では4台が一同に集まって設置されていたので、

その効果もあって、なおさら人目を惹きました。

その一方でファンファンタジアは、人の流れから外れた暗いブースの片隅で「ヌ~」と地味にお客さんと接していました。

 

会場での2種類の機械を比較して注目していましたが、圧倒的に、

「売れる機種はクリスタルクレーンのほうだと感じていました。」
対応させて頂いたユーザーさんたちの意見も、私と一緒でした。

私はブースの中で、対極にあるファンファンタジアに時々視線をやっては、

「この手のゲーム機を解体処分しようとすると、費用はどれくらいになるのかな。」

なんてことを、ブルーな気持ちで考えたりしておりました。                                                                                                                                                         

ところが、時間の経過とともに展示ブースを訪れるお客さんの行動に、

何か違和感を覚えるようになりました。

それは、箱型クレーンを見ている時のユーザーは笑っているし楽しんでいるが、

そんなにゲームをしたい訳ではなく、単に景品を欲しがっている顔に見える。

 

 

反対に、ファンファンタジアの前に立つ人は業者さんが多かった。
そして、ほとんどの皆さんが戸惑いの表情になっていくのが分かりました。
最初何が起きているのか理解できませんでした。後に接客をしている営業マンから、

情報が入るようになって、ようやく分かりました。

 

お客さんは最初

「変なゲームがある。的の上で棒を止めて下ろすだけか?」と言いながら
ゲームを始めるが、「こんなゲームだったのか。」と2~3回することで経験できた
満足感で、場を去る人もいる中で、険しい顔で淡々と続ける人たちがいる。

そういう人たちは何回も遊んだ後で営業マンとぼそぼそ話をします。
話の内容は

「あっちのクレーン(箱型)よりもこちらのほうが、面白味があるよ。」

「何か分らんけど再ゲームしてしまうよ。」
「向こうのクレーンに新鮮さは感じないが、これには見栄え以上の能力を感じる。」等
明らかに地味なファンファンタジアに対して好意的でした。
色々出た意見の中でも「君らが推さなければならない機種はこっちだろう。」の

言葉には唖然としました。
他にも、「この機械は案外、化けるかもしれないね。」との
賛辞までいただきました。

 

その後幕張から帰ってすぐに取り組んだことは、量産を見据えての

クリスタルクレーンではなく試作機ファンファンタジアのリニューアルでした。

 

 

 

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【リニューアルを終えた頃のファンファンタジア】

 

キャビネットを他社並みの見栄えにして、デザインも
賑やかに、そしてS社に負けないように直管の蛍光ランプを5本も使用して、
どこよりも明るいクレーン系ゲーム機に仕上げました。
量産に乗り出した時には、予想以上の反応で注文が殺到しました。
それから2、3年いい思いをさせてもらって、次の紐切りゲームに繋ぐことも
できました。

 

因みに、同じ時期に量産を目論んだクリスタルクレーンは、

コストダウンに取り組めず、何とか50台を生産したものの中止しました。
正に運命の岐路でした。

あの時、幕張でお会いした、ベテラン関係者の目利き力に救われました。

(感謝)

 

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